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活用実践事例集

2025/03/11

紙で実施しても、児童の取り組み状況がパッと把握できる! 【MITORUデザインプロジェクト】実践レポートvol.2 東京都世田谷区立九品仏小学校

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  • 遠藤裕美子先生

    東京都世田谷区立九品仏小学校

今回は、東京都世田谷区立九品仏小学校の3年・4年の児童40名に使用していただきました。九品仏小は、全校児童328名(令和6年度時点)の学校です。
3年以上の算数の授業は、習熟度別に3コースの少人数制で行われています。算数少人数担当・働き方改革担当の遠藤先生は、3~6年の学級担任の先生と連携をとり、誰がどのコースの指導に入ると学年内のバランスがとれるかを考慮しつつ、単元ごとに担当コースの先生を決めていらっしゃいます。1年間を通して、どのコースの児童が来てもスムーズに授業に入れるよう、さまざまな点に配慮されています。

丸付けやその後の指導・見取りの実施状況

家庭学習や日々の漢字・計算プリントの丸付けは、比較的保護者が協力的な地域ということもあり、保護者や児童自身が行っています。
3年生は保護者、4年生は児童自身が丸付けをすることが多いようです。
算数では、学校全体でノートの書き方指導を統一されていて、児童は迷うことなく記録していました。筆算では、定規を使って線をひくなど、正誤のみならず丁寧に書かせることも重視されています。

▲日頃からきめ細やかなノート指導がされており、モニター実施時も児童は丁寧に取り組んでいました。

今回の丸付けアプリのモニター実施内容

今回も前回(vol.1:軽部小)と同様、10問程度の計算プリントを実施したのち児童自身で撮影し、判定結果をもとにプリントに丸付けをしてもらいました。
さらに、丸付けしたプリントを撮影し、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール(以下、ロイロノート)」を使って先生に提出するところまで行いました。
児童たちは普段から端末を使い慣れているため、3・4年生ともに特段操作に迷うことはありませんでした。ただ、比較的端末を横向きに使っていることが多く、縦向きで写真を撮るのが難しい様子も見受けられました。遠藤先生も、「タブレットを横向きで撮影し、不要な部分をトリミングすることには慣れていますが、タブレット自体を縦向きにすることはあまりないかもしれません。」とおっしゃっていました。

▲撮影の様子(写真左)と判定結果を見ながらプリントに丸付けする様子(写真右)

▲「ロイロノート」で写真を提出している様子(写真左)と提出状況画面(写真右)

児童の反応

操作説明の段階で「自動で採点できるんだ!」と興味をもっている様子でした。
まだ開発途中のため誤判定もありましたが、×がついた問題があると、児童はすぐに自分の解答を見直して、「こっちの問題はアプリが間違っているけど、こっちの問題は自分が途中で間違えているんじゃないかな?」と冷静に判断していました。
「間違い直しをしたのに〇にならない」という児童のプリントをよく見ると、計算ミスの消し忘れがあり、児童自身が「間違えた時はもっときれいに消さないとダメだなぁ。」と気づく様子も見受けられました。

このような「間違いの消し忘れ」も、前回の実施(vol.1:軽部小)で見られた「解答の書き忘れ」とは逆で、日常的によく起こることだと思います。児童自身で丸付けをしていれば「消したつもり」、先生や保護者が丸付けをしていれば「消したとみなす」ということができますが、アプリによる自動判定では、このようなことは考慮されません。そのため、今回のアプリを使った丸付けによって、児童は「誰が見てもわかるように解答する」ことを再認識できたようでした。
 
モニター実施後、先生がクラス全体に「アプリを使った丸付けはどうでしたか?」と問いかけたところ、「すぐに結果がわかるから楽だった!」「楽しい!」「自分でやるよりはやかった!」といった反応が返ってきました。
最後に行ったアンケートでは、40名中26名が「アプリを使って自身で丸付けができそう」、13名が「慣れれば、アプリを使って自身で丸付けができそう」といった回答結果が得られ、ほぼ全ての児童がアプリを使った丸付けができそうだということがわかりました。

▲ 児童たちはとても熱心に取り組んでくれました。ご協力ありがとうございました!

先生の反応

モニター実施後に、ご感想などをお聞かせいただきました。
 
●遠藤裕美子先生(算数少人数担当・働き方改革担当)
子どもたちはタブレットを使うことに慣れているので、アプリを使った丸付けについても一人で問題なくできると思います。
最終的に「ロイロノート」で提出してもらいましたが、クラスで全体を把握しなければならない学級担任の立場であれば、この提出方法はとても便利だと感じました。
今回のような丸付けや提出方法ですと、朝出勤した時点で、クラス全員の提出状況が確認できます。なかには、帰宅してすぐに宿題をする子どももいるので、前日の退勤前に既に提出されていることもあるかもしれません。「ロイロノート」の画面では、提出し忘れている子どもが空白になるため、提出状況も視覚的にわかりやすいです。何より丸付けに加え、間違い直し済みのものが提出されるのもよいですね。
最近、この「ロイロノート」にスタンプ機能がついたので、「見ました!」「がんばったね」「もう一度見なおそう!」など、いいスタンプがあれば、隙間時間にサッと確認して返却ができそうですね。

▲「ロイロノート」の提出画面(写真左)とスタンプ機能(写真右)

世田谷区ではデジタルドリルも採用していて、本校の4年生は、新しい試みとして今年の夏休みに紙の教材を使用せず、デジタルドリルで宿題を出しました。デジタルドリルは個人の取り組み状況だけでなく、クラス全体の正答率もわかるので、教師にとっても見取りやすく、また丸付け不要という利点もあります。ですが、単元によって向き不向きの問題があり、計算は紙の方が取り組みやすいという児童も少なくありません。モニター実施後に行った児童アンケートで「筆算の計算を20問解く場合、紙とデジタルでどちらが解きやすいか?」という設問に対して、「紙」と回答した児童が3年生より4年生の方が多かったのは、おそらく単元内容が関係していると考えられます。4年生は紙とデジタルそれぞれのよさを実感し、今回のアンケートでは、計算は紙の方が取り組みやすいと回答したのではないかと思います。

 
 
 

編集後記
「全部あってた!」「何でここが違うんだろう?」と子どもたちが積極的に取り組んでいる様子が印象的でした。
間違えた原因を探るという行為は、正誤判定と同時に解答が表示される従来のデジタルドリルとは異なる利点ではないかと感じます。
また、視覚的に提出状況が確認できる点も、従来の紙での提出方法の延長にあり、違和感なく受け入れられる要因の一つなのかもしれません。
アンケートの結果から、「筆算の計算を20問解く場合、デジタルよりも紙の方が解きやすい」と感じている児童がいることもわかりました。これからはより一層、「学習内容や状況、場面によって紙とデジタルのどちらが適しているか」を考えてまいります。

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