教材・サービス
活用実践事例集
2024/11/08
形成プリントを活用し 「算数の達成(算数テスト)」クラス平均90点を維持する
テストの点数を上げるために、テスト前日に復習した経験は誰にもあるだろう。子どもに「明日はテストだから復習しておきなさい。」と子どもに告げることも当たり前にあるであろう。では、その復習の具体的な方法について指導する教師はどのくらいいるであろうか?
もちろん、テストの点数を上げること自体が目的ではない。学習したことを定着させ、次の学習や生活に活かし、自分の人生を可能性に満ちた豊かなものにしていくためのささやかな手段に過ぎない。その復習の具体的な方法の一つが形成プリントの活用である。形成プリントを授業中に活用することで「算数の達成(算数テスト)」クラス平均90点を維持することを可能としてきた。その円滑な学習のためには、スキルやドリルを含めて、教材会社をそろえる必要があることは言うまでもない。
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永島 俊之元教諭
元千葉県公立小学校初任者指導教員
<算数の達成(算数テスト)へ向けた形成プリントの活用システム>
(以下、「算数の達成(算数テスト)」を「テスト」と略記する。)
ステップ1.形成プリント等を授業で扱い、学習事項の定着を図る
単元「大きい数のしくみ」を例に形成プリントと「テスト」と連携させながら説明する。
テスト「1.大きい数のしくみ」に対応する形成プリントは②と③の表裏である。
形成プリントの表と裏を比較するとどうやら役割が異なることが見えて来る。
表は、学習事項が身についているかどうかを確認することが目的である。
裏は、表の設問でつまずいた場合に、テスト前の弱点補強をすることが目的である。
その1 事前に形成プリント<表>の「ぬけおち」を見つける
形成プリント《表》と「テスト」の設問を比較し、形成プリントが対応してるか調べる。
算数の達成1.大きい数のしくみ | 形成プリント2・3《表》 | ||
表 | [1]①何の位の数字か? | × | |
②○の位の数字は? | 2[1]で対応 | ||
③(2)は何が(2)こあるのか? | ×2[3]には逆から問う設問はある | ||
[2]数字(算用数字)で書く。 | 2[2]で対応 | ||
[3]数直線の位置に当てはまる数 | 2[4]で対応 | ||
[4]10倍した数 | 2[5]で対応 | ||
[5]10分の1にした数 | 同上 | ||
[6]かけ算の筆算 | 3の[1]及び[2]①②で対応 | ||
[7]工夫して筆算 | 3の[2]③~⑤で対応 | ||
裏
|
[1]①何回も使って一番大きい○桁の数 | △2の裏[2]に「1回使って」の設問はある | |
②何回も使って一番小さい○桁の数 | △同上 | ||
[2]大きくなるための□の桁の数字は? | × | ||
[3]かけ算の筆算をする文章題 | × |
赤の□で囲んだ設問は、形成プリントでは取り上げられていない。
以上の比較から、次の事が分かる。
テストで取り上げられている設問が形成プリントでは完全にはカバーされていない。
授業中では、「テスト」のすべての学習内容を網羅した学習を終えている筈なのであるが、形成プリントにぬけおちがあるまま「テスト」を実施することは、すべての学習内容を評価することにはならないであろう。もちろん紙幅の関係で副教材にすべての学習内容を入れ込むことは難しい。では、教師はどうすべきか。
その2 補充プリントを作成する
復習に偏りがあるまま、テストを行うのは、評価の正確性を書くことになる。そうならないために、補充問題を作成し、解かせるのである。この場合、次の設問を補充すべきである。
○何の位の数字かを問う設問
○同じ数字を1回のみ使って条件に合う○桁の数字を問う設問
○二つの数字を比較し、片方が大きくなるために□の桁にどの数字を入れるかを問う設問
○かけ算の筆算をする文章題
以上の内容を網羅したプリントを作成し、②③の表と共に実施する。そうすることで、テストの折に復習していない設問はなくなる。
その3 形成プリント《表》と補充プリントに取り組ませる
授業中に実施する。1枚ずつ表のみ、制限時間を決めて一斉に行わせる。
時間が来たら全体で解説を聴きながら答え合わせをする。
間違えた部分は、いったん保留としておく。
その4 形成プリント《裏》に取り組ませる
終わったら、《裏》に取り組ませる。基本的には表の内容の基礎的部分を補強するつくりになっているので《表》でつまずいた子どもには格好の弱点補強の機会である。
制限時間を設け、終わったら全体で答え合わせをする。間違えた子どもには必要に応じて余白に間違い直しをするか、教師に余裕があれば類題を板書して取り組ませる。
ステップ2.「テスト」を行うプロセスで、学習事項のさらなる定着を図る
テストにおいても、学習事項の定着を積極的に図っていくことが望まれる。かつて、伝説の授業の名人野口芳宏氏は、「授業とは恒常的変容の連続的保障である。」と喝破した。たとえテストであっても、授業として行うのであるから、そこに恒常的変容のある手立てを講じることは大切なことであろう。テストは以下のように行う。
その1 設問に沿って、注意事項を伝える
例えば「二つ選びなさい。」とあるのに一つしか選ばない。
「正しいものには○、まちがっているものには×をつけなさい。」とあるのに○しかつけない。というケアレスミスを防ぐために、テスト用紙を見ながら、注意事項を伝える。
特に算数特有の注意事項としては、雑に数字を書くことで他の数字に見えてしまうことや、単位をつけ忘れてしまうことが定番のケアレスミスとして挙げられる。
「1.大きい数のしくみ」の「テスト」であれば、次の注意事項は必ず伝えたい。
○「億」や「兆」を書き忘れないこと
○文章題は式、筆算、答えを必ず書くこと
○問題7で、工夫が思いつかなかった場合は、普通に計算してよい。(減点するが)
その2 テストの設問のみやらせる
得点に関係ない「チャレンジ算数」はここではやらないことを事前に話す。
その3 設問のみ終わった子供は教師の採点を受ける
設問の解答が終わった子は、やり忘れている設問はないかを自分で確かめてから、教師に提出する。教師はその場で1対1で採点する。
100点であれば、「チャレンジ算数」をやるように指示する。
誤答がある場合は、点数を付けたうえで、再度取り組ませ、新しい答えを脇に鉛筆で書かせる。その際、教科書や漢字スキル、形成プリントを見ることは許す。100点になれば脇に新しく100点と記す。
「テスト」のすべてが終わった子には、読書など事前に次の課題を与えておくことは言うまでもない。学級の約束として「この中から好きな物を」などと決めておくとなおさらよい。
その4 アフターテストを隙間時間に実施する
ここでは、形成プリントをいわばプレテスト的な扱いとした。そうなるとアフターテストという発想も浮かぶ。いつも、いつもでなくてよいが、特に思考・判断・表現の設問などを、数字を変えるなどして教師がパソコンで打ち直して、隙間時間に実施するという方法もある。アフターテストの積み重ねは、期末テストや学力テストに成果となって跳ね返ってくる。
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